緑の中の競輪場
青森競輪場は、青森市の中心街から離れており(青森駅・新青森駅からバスで25分)、周囲は緑に囲まれています。したがって、車でないと足を運べない場所であり、来場の際は自家用車(駐車場4,005台収容)か無料送迎バスの利用が必要ですが、その送迎バスも首都圏のように何本もあるわけではないので、バス利用の場合は、事前に時刻表等で運行時間を調べておく必要があります。
同競輪場は1950(昭和25)年に開場し、最初は市の中心部に近い合浦公園にありましたが、1983(昭和58)年に現在の場所に引っ越しました。現在の場所は、国の特別史跡である三内丸山遺跡が近くにあることから、「Jomon Bank」(縄文バンク)の別名があります。
降雪の関係で毎年4月から10月までの期間限定開催ですが、全日本選抜競輪を5度、寛仁親王牌を3度開催するなど、全国的にも屈指の売上を誇る場所として知られています。毎年8月下旬から9月に開催される記念競輪「みちのく記念 善知鳥杯争奪戦」をはじめ、地元出身で1990(平成2)年のKEIRINグランプリなど特別競輪3勝・年間賞金王2回を誇る、ロサンゼルス五輪銅メダリスト坂本勉元選手の名を冠した「坂本勉カップ」、北日本の競輪場が持ち回りで開催する「ノースランドカップ」の開催地としても有名です。
昨年「みちのく記念」を制した新山響平(しんざん・きょうへい)選手(107期・青森)は坂本元選手の弟子であり、今後青森競輪はもとより、輪界全体を盛り上げることが期待されています。
また同競輪場は、選手宿舎に天然温泉(ナトリウム塩化物強塩泉)を有することでも知られ、2011(平成23)年に一般開放されて好評を博したことから、翌年以降も不定期で開放されております。詳しくは公式ホームページ等ご確認ください。なお利用には、場内で購入した車券が必要になります。
では、そんな青森競輪場の特徴をご紹介していきます。
予想のヒント
青森競輪場は、1周400mの「4バンク」であり、全国的に見ても一般的な競輪場といえます。クセのないバンクとはいわれていますが、みなし直線が58.9mと結構長く、カント(傾斜)もキツい上に、バックスタンド付近では陸奥湾からの風が強く吹き付ける日もありますので、「風よけ」となる先行選手より、追い込み選手の方に分があるといえます。
これらのことから、追い込み選手はバックスタンドで勝負を仕掛けることが必要で、海から風が強く吹き付ける日に仕掛けられなかった場合、好機を逃してしまいます。また競りになった場合、外側が有利なようです。
決まり手
1着:逃げ17% 捲り30% 差し53%
2着:逃げ16% 捲り17% 差し30% マーク37%
※脚質について
1着:逃げ39% 追込41% 両方20%
2着:逃げ28% 追込55% 両方17%
3着:逃げ21% 追込63% 両方16%
1着選手の決まり手が「逃げ」17%に対し、「差し」だけで5割以上を占めており、これだけでも追い込み有利ということがわかります。また2着選手も「逃げ」以外の決まり手が84%を占め、特に「差し」「マーク」型の選手だけで7割近くを占めているのが注目されます。
脚質については、1着選手の「逃げ」が39%を占めていますが、普段逃げる選手が逃げずに先行→捲りという戦法で1着に入線したという見方もできるので、「逃げ」にこだわる選手よりも自由自在に戦える選手を狙いたいですね。一方、2着・3着の選手は追込が各55%と63%と高い率を示しています。2着・3着流しという3車単車券を買う時などには憶えておきたいデータですね。
直近の傾向
<2020年7月6日~8日:日本トーターカップ>
それでは直近に開催されたレースの結果を見ながら、実際はどうなっていたのかを見ていきましょう。
※左から順に
1着の場合は逃げ、捲り、差しの回数
2着の場合は逃げ、捲り、差し、マークの回数
(7月6日[初日])
1着:2,2,5
2着:2,1,2,4
(7月7日[2日目])
1着:2,3,4
2着:1,0,2,6
(7月8日[最終日])
1着:1,2,6
2着:1,1,3,4
(3日間合計)
1着:5(18.5%),7(26%),15(55.5%)
2着:4(15%),2(7%),7(26%),14(52%)
1着には「差し」選手が5割以上の高確率で入線しており、いかにこのバンクが差し有利であるかということを立証していると考えられます。2着には「マーク」選手が5割以上を占めており、先述したようにカントがキツくて直線も長いとなると、余程のパワーの持ち主でない限り、逃げ切りを決めるのは難しそうですね。ちなみにこの3日間は風速が概ね1.0m程度と、風による影響は少なかったかと思われますので、バンクが与える影響というものは、決して無視できない重要なファクターと言えましょう。
まとめ
・1着は「差し」選手、2着は「マーク」選手を狙え。
・自在に動ける選手には有利なバンクかも。
・海風はバカにできない。当日の風向きには要注意。
「自在に動ける選手は誰!?」と疑問をお持ちの方は、出走表に書かれている各選手の決まり手をご一読ください。
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