函館競輪場はどんなところ?
日本最北に位置する函館競輪場。
立地条件の制約もあり、毎年4月から11月までの期間限定開催ですが、記念競輪「五稜郭杯争奪戦」をはじめ(今年は新型コロナウイルス感染症の影響で中止)、2018(平成30)年から始まったナイター競輪「函館ミリオンカップ」(今年は8月7日からの4日間の開催予定)、当競輪場を本拠地に戦い、史上初の特別競輪兄弟ワンツー(1976(昭和51)年の第19回オールスター競輪[前橋])という快挙を成し遂げた藤巻昇・清志兄弟を称える「藤巻兄弟杯争奪戦」、「ふるさとダービー」(1992(平成4)年から5回)、「サマーナイトフェスティバル」(2006(平成18)年から3回)の開催地としても知られています(2021(令和3)年7月17日から19日にかけて、4度目の「サマーナイトフェスティバル」開催が決定済)。
2012(平成24)年には高松宮記念杯競輪が開催され、北海道において初めて公営競技の最高グレード競走開催ということもあって大いに盛り上がり、4日間で総額103億4千万円の売り上げを計上し、目標額の100億円を突破しました。このとき優勝したのは、地元北海道斜里町出身の武田豊樹選手(88期)であり、故郷に錦を飾った凱旋勝利でした。
入場料が無料な上に(指定席は有料)、冬季(12月から2月)はバンク内に氷を張ってスケート場として利用されており、函館市内における一大娯楽施設としても利用されている函館競輪場とは、いったいどんな特徴を有しているのでしょうか?
予想のヒント
函館競輪場はいわゆる「4バンク」の1周400mと一般的な競輪場であり、脚質による有利不利は少ないとされています。半面、みなし直線が51.3mあり、400バンクの競輪場としては縦長の様相を呈しています。
しかし2003年にリニューアルされてからというもの「直線が短くなったと感じた」(ベテラン選手)という声もあり、みなし直線が長い割には、追込型のラインの選手が台頭する余地が少なそうです。
函館競輪場は海辺に面していることから、海からの風をモロに受けやすい特徴があります。特に1センター付近が海辺に一番近く、風よけのために防風柵が設けられてはいますが、完全に風を防ぎ切れておらず、ホームストレッチでは向かい風の影響を受けやすい状態です。先行選手は「風よけ」の役割を果たすことから、その先行選手を利する差し・マークの選手が恩恵を受けやすいと言えます。
またバックスタンド付近を走行すると逆に追い風となるため、やはり先行選手を利した差し・マーク型の選手に有利に働いているようです。パターンとしては、3コーナーから4コーナーで捲りを決めるか、4コーナーでカマシを決めて、直線勝負に持ち込む形が多いようです。
決まり手について
1着:逃げ17% 捲り29% 差し54%
2着:逃げ15% 捲り15% 差し32% マーク38%
※脚質について
1着:逃げ39% 追込41% 両方20%
2着:逃げ27% 追込57% 両方16%
3着:逃げ21% 追込63% 両方16%
1着選手の決まり手が「差し」54%と半数以上を占めており、これだけでも「差し」有利の競輪場であるとわかります。また2着の決まり手も「差し」32%「マーク」38%と、双方合わせて7割を占めています。
ただし脚質を見てみると、1着に入った選手の本来の脚質が「逃げ」だけでも39%を占めており(「追込」の場合は41%、両方の場合は20%)、一概に先行型選手がダメというわけではなく、要は自身の本来の脚質にこだわらずに、柔軟な戦法をとれれば勝機が見えてくるかもしれません。
なお2・3着選手の脚質を見ると、「逃げ」が各27%と21%に対して、「追込」は各57%と63%、両方の場合は双方ともに16%とありますから、やはり総じて先行型選手よりも追込型選手が有利であるということがわかります。
直近の傾向
<2020年6月28日~30日:楽天・Kドリームスカップ>
それでは直近に開催されたレースの結果を見ながら、実際はどうなっていたのかを見ていきましょう。
※左から順に
1着の場合は逃げ、捲り、差しの回数
2着の場合は逃げ、捲り、差し、マークの回数
(6月28日[初日])
1着:2,4,4
2着:1,0,3,6
(6月29日[2日目])
1着:2,6,2
2着:2,0,3,5
(6月30日[最終日])
1着:3,2,5
2着:2,3,2,3
(3日間合計)
1着:7(23%),12(40%),11(37%)
2着:5(16%),3(10%),8(27%),14(47%)
3日間の結果を見ても、1着には捲り型の選手と差し型の選手が多く入線しており、特に捲りを決めた選手の勝利が目立ちます。これは先程言及したように、先行した選手の後位に付けて「4コーナー捲り」を決めた選手が多かったためであり、当競輪場特有の「風」を味方にして勝利をゲットしたものと考えられます。
また2着にはマーク型の選手が約半数を占めており、流れを取り切ったラインの「マーク屋」が、無難に2着を確保しているということでしょう。
まとめ
・「風」を味方に付けるのが勝利への鉄則。
・「逃げ」選手より「捲り」「差し」選手を狙え。
・2着流しの馬券を買う際は「マーク」選手から買うのが無難。
あとはレースで先行する(できる)ラインを見極めて、そのラインから車券を買うのが必要不可欠であると言えましょう。
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