
ドーム型競輪場の先駆け
前橋競輪場は、1950(昭和22)年に前橋公園内の1周500mバンク(のち400mバンク)として創設され、1990(平成2)年に現在の場所に「グリーンドーム前橋」(現在は「ヤマダグリーンドーム前橋」の名が冠される)が竣工されたことを契機に、この施設で開催されるようになりました。その際にバンクも1周333m(のち335m)に変更されて、現在に至っています。
当地は1992(平成4)年に創設された特別競輪「寛仁親王牌」の開催地として知られており、2010(平成22)年から6年間ほど別の競輪場で開催されていたものの、2016(平成28)年から再び開催されるようになり、今年も10月15日から4日間の日程で開催される予定です。これ以外にも、2011(平成23)年には高松宮記念杯競輪(それまで開催されていた、大津びわこ競輪場廃止を受けたもの)、2012(平成24)年と2014(平成26)年にはオールスター競輪がそれぞれ開催され、日本における主要競輪場の一つとして認知されています。
また記念競輪は「三山王冠争奪戦」と銘打たれて開催されており(特別競輪が開催されない年に行われる不定期シリーズにつき、次回の開催は2021年度を予定)、他にも地元群馬県出身の元競輪選手・競輪評論家であった鈴木保巳氏の功績を称える「日刊スポーツ杯鈴木保巳メモリアル」が、氏の逝去した2008(平成20)年から開催されています。
かつては周辺住民に対する騒音対策もあって、設備こそ備えていたもののナイター競輪は開催されてきませんでした。しかし2012年からミッドナイト競輪が開催されたこともあって、2015(平成27)年からは当地でもナイター競輪「ドームナイトレース」が開催されるようになり、前橋の新しい名物となりました。
では、そんな前橋競輪場の特徴を紐解いてみます。
予想のヒント

ここ前橋競輪場は、1周が335mある「3・3バンク」であり、みなし直線も46.7mと短めなため、グルグル回るルーレットを想起させることから「ルーレットバンク」の別称があります。またカント(傾斜度)も36度と国内でも有数のキツさであり、コーナー頂上からの「山おろし」は壮絶な迫力とスピードがあるため「超高速バンク」の異名も付いていますが、これを利することができれば、逆に優勝に向けて強力な武器となるでしょう。
またドーム型競輪場ということで全天候型であり、風の影響が全くないため、向かい風による不利もないですが、追い風によるスピードアップも期待できず、そのため選手の体力が著しく消耗されるようです。したがって相当なスタミナを持たないと、最終日までレースが万全に務まらなくなります。体力に優れた選手からは、目が離せませんね。
参考までに、当競輪場のバンクデータを貼っておきます。

決まり手

1着の決まり手で「逃げ」が25%を示しているように、直線短めの335mバンクで、しかもスピードに乗りやすいことから、逃げ・先行選手に有利であり、逆に追込狙いの選手にとっては捲り切れるかわからないため、非常に不利なバンクとなっています。一方「差し」が43%で2着に「マーク」選手が入る割合が45%と、こちらは逆に差し・追込選手に有利となっています。おそらくは先手を取り切った選手の後位に付けた者が、2着に入りやすいということでしょう。
脚質を見ても、1着選手の脚質は「逃げ」が43%でしたが、2着・3着を見ると「差し」選手がそれぞれ50%と65%を占めており、決まり手のデータがそのまま反映された形となっています。
直近の傾向
<2020年6月23日~25日:オッズパークカップ・全7レース制>
それでは直近に開催されたレースの結果を見ながら、実際はどうなっていたのかを見ていきましょう。

3日間の傾向からもわかるように、「逃げ」選手が45%の確率で1着に入っており、2着入線割合も31%と、他の競輪場と比べても先行有利であるといえます。また2着に「マーク」型選手が入るのが52%と、こちらも決まり手のデータがそのまま反映された結果となりました。
まとめ
・圧倒的に先行有利。積極的に前へ行く選手のラインを買いたい。
・スピードに加え、スタミナ豊富な選手がいたら、尚更狙いたい。
・2着から堅実に狙うなら「マーク屋」を狙え。
出走選手のそれまでの成績を参考に、どの選手が先行するか?またマークするか?をきちんと見極めた上で、車券作戦を考えたいですね。
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