松戸競輪の歴史
「燦燦バンク」の愛称で知られる松戸競輪場は、東京から江戸川を渡ってすぐの千葉県松戸市にあり、都心からのアクセスが便利なことから、多くの入場人員を誇っております。
かつては、千葉県「房総フラワーライン」で街道練習をしてきた東京の山口国男選手(24期)を筆頭に、弟の健治(38期)、尾崎雅彦(39期)、清嶋彰一(40期)、千葉の吉井秀仁(38期)、滝澤正光(43期)各選手が集結して「フラワーライン」を結成し、中野浩一選手(35期・福岡。
以上、全員引退)を旗頭とする九州軍団と激しいつばぜり合いを演じてきましたが、そのフラワーラインの本拠地がここ松戸競輪場であり、タイトル奪取に向けて日夜練習に精を出したものです。
特別競輪が多く開催されており、日本選手権は今年開催された分も含めて過去5回(今年の優勝者は、今月30日のKEIRINグランプリにも出走する脇本雄太選手[94期・福井])、オールスターが2回行われるなど、全国的にも有名な競輪場であります。
また記念競輪「燦燦ダイヤモンドカップ争奪戦」は毎年8月中旬に開催されますが、本年は日本選手権開催に伴い開催されず、その代わりに改修中の千葉競輪開設記念を10月に開催しました(優勝者は三谷竜生選手[101期・奈良])。
決まり手
「燦燦バンク」といわれる松戸競輪場は、その名の通り333バンクの小回りコースで、見なし直線38.2mは全国43競輪場の中で一番短く、同競輪場を上から見ると丸い形状をしていて、その中をグルグル回ることから「ルーレットバンク」とも呼ばれています。
展開としては、傾斜が急なことから、「逃げ」などの先行脚質の選手に有利な展開が多く、勝負所で後手を踏んで最後の直線で3,4番手以内に位置できなければ、勝利することは難しいでしょう。
過去、松戸での決まり手データを見てみると
1着:逃げ25%、捲り35%、差し40%
2着:逃げ19%、捲り16%、差し21%、マーク44%
逃げた選手が25%の割合で1着に、19%の割合で2着に入っており、先行脚質の選手に有利であることが立証できます。
ただし特別競輪では勝負所で多くの選手が動き出すため、一概にそうなるとは限りません。
予想のヒント
今年の5月に開催された日本選手権6日間の結果を紐解くと…
※左から順に
1着の場合は逃げ、捲り、差しと割合
2着の場合は逃げ、捲り、差し、マークと割合
1着:16(24%)、30(45%)、21(31%)
2着:11(16%)、14(21%)、13(19%)、29(43%)
このように「逃げ」が絶対的に有利というわけではなく、むしろ1着の場合は「捲り」、2着の場合は「マーク」の選手が高い割合で連に絡んでいますので、注意が必要でしょう。
またこうしたコース形態であるためインコース有利に働いており、イン競りが激化して、落車・失格になるケースも少なくありません。加えてコースの外側が全体的に透明板で仕切られていることから、風が入り込んだ際に通る道がなく、コースの中で風が渦巻き向かい風の状態になることもあるので、その際後方に位置する選手にとっては不利な戦いを強いられます。
結局松戸で勝ち星を掴むためには、最終周回で早めに、逃げた選手を捕まえて主導権を握り、そのまま押し切るパターンが望ましいと言えるでしょう。
直近の傾向
吉井秀仁杯フラワーラインC/2019年12月7日~9日
最近行われたレースでは、どうだったでしょうか?
今月7日から3日間開催されたF1レースを見てみると…
※結果の読み方は先述日本選手権のものと同じ。
(12月7日[初日])
・1着:6、2、3
・2着:0、3、3、5
(12月8日[2日目])
・1着:4、3、4
・2着:2、1、2、6
(12月9日[3日目])
・1着:1、8、2
・2着:2、0、2、7
(3日間合計)
・1着:11(33%)、13(39%)、9(27%)
・2着:4(12%)、4(12%)、7(21%)、18(55%)
A級戦も含まれていたからでしょうか、やはり先行勢の台頭が目立ち、「逃げ」選手が1着に入る確率が全レース中3割強を占めていました。
また「捲り」も全体の4割弱を占めており、比較的前の位置で捲った効果が出たと思われます。
一方2着の決まり手では「マーク」の選手が全体の5割強を記録しており、主導権を奪った選手の後位に付け、そのまま雪崩れ込んで2着を確保した形となっています。
まとめ
・基本的には「逃げ」選手が有利だが、特別競輪等の大レースになると各選手早めに動くことから、逆に後ろから戦いを進める選手に有利になることもある。
・強い風が吹いた日は、選手に対して向かい風になることがある。当日の風の強さには注意が必要。
・確実に車券を的中させるなら、「マーク」型の選手を狙ってみるのも一つの方法。
コース形態が特殊で、展開を読みづらいレースが多いことから、1人の選手に狙いを絞るより、複数の選手を軸にして「保険」をかけておくのが効果的かもしれませんね。
コメント