佐世保競輪の歴史
軍港の街・佐世保に位置する佐世保競輪場は、長崎県の北側に位置し、日本にある43箇所の競輪場の中で一番西にあります。
同競輪場は、2008年のグランプリレーサーである井上昌己選手(86期)をはじめとした、日本競輪選手会長崎支部所属の選手がホームバンクとして使用しており、第二の井上選手を目指すべく、日夜練習に汗を流しています。
毎年12月上旬には、地元の群島から名をとった開設記念競輪『九十九島賞争奪戦』が開催され、今年は23歳の新進気鋭・太田竜馬選手(徳島県・109期)が優勝していますが、先述の井上選手も過去3勝しており、名だたる選手達による熱戦が、毎年展開されています。
予想する時のコツ
そんな佐世保競輪の車券を購入する際、予想上のヒントとなるものとして、同競輪場の特徴と傾向を紹介してみたいと思います。
佐世保では「逃げ」「先行捲り」選手がやや有利です。
かつて佐世保競輪場は500バンク走路であったのを、後年400バンク走路に改修したこともあって傾斜が緩い構造になっている上に、見なし直線が40.2mと400バンクの競輪場の中では一番短いことから、「逃げ」「先行捲り」戦法を得意とする選手にやや有利な構造となっています。
決まり手のデータ
・1着:逃げ21%、捲り37%、差し42%
・2着:逃げ18%、捲り17%、差し26%、マーク39%
このように「逃げ」戦法の選手と、先行しての「捲り」戦法をとる選手に有利なことが立証されています。
ちなみに毎年開催されている、同競輪場における記念競輪での決まり手を見てみると(2000年以降)
・1着:逃げ15%、捲り35%、差し50%
・2着:逃げ15%、捲り20%、差し26%、マーク39%
こちらは1着の決まり手が「逃げ」「先行」と「差し」で半々となりましたが、それでも先に行く選手に有利な傾向にあることがわかります。
2着の決まり手を見ると、「差し」「マーク」の割合がやや高いですが、それでも直線が短い分だけ、各ラインの3番手に付けた選手が、直線伸びて1着はおろか2着に入ることすら厳しいと言われています。
333バンク並みに直線が短く、追い込みがききそうにないこの競輪場において、上位入線を果たすためには、道中早めに動ける自在性の脚を持っていることも必要だと考えられます。
特徴と傾向
これまで挙げてきた同競輪場の特徴と傾向を踏まえて、先週開催された開設記念(2019年12月5日~8日)の結果(各決まり手の回数)と比較してみましょう。
(2019年12月5日[初日])
・1着:逃げ1、捲り5、差し6
・2着:逃げ0、捲り3、差し7、マーク2
(2019年12月6日[2日目])
・1着:逃げ1、捲り6、差し5
・2着:逃げ2、捲り3、差し2、マーク5
(2019年12月7日[3日目])
・1着:逃げ0、捲り7、差し5
・2着:逃げ1、捲り3、差し2、マーク6
(2019年12月8日[最終日])
・1着:逃げ0、捲り7、差し5
・2着:逃げ1、捲り3、差し2、マーク6
(4日間合計)
・1着:逃げ2(4%)、捲り22(46%)、差し24(50%)
・2着:逃げ5(10%)、捲り13(27%)、差し14(29%)、マーク16(33%)
今回は賞金も比較的高額なだけに、「逃げ」選手も徹底的にマークされる厳しい展開のレースが多かったことが「逃げ」の決まり手が少なかった要因かと思われますが、それでも「逃げ」「先行」戦法の選手が一定の成果を出していることからも、やはり同競輪場は「逃げ」「先行」の選手にとって、有利なコースであると言えましょう。
その他の要素
風の強さ、風向きも大事な検討要素の一つです。
佐世保競輪場は、1コーナー側の道路を隔てた所に佐世保港が隣接しており、風が強い日は海側から競輪場にも風が吹きつけてくることがあるため、風の影響で選手の走行にも影響を及ぼすと言われています。
特に1コーナー付近から、バックスタンド特観席に向かって風が吹いたときなどは、そのバックスタンドで風が跳ね返ることで、選手の走行に重大な支障をもらしかねません。
したがって風が強い日は、風向きやその強さなども考慮した上で、車券を購入する必要がありそうです。
まとめ
・戦法は「差し」「追い込み」選手よりも、「逃げ」「先行捲り」を打てる選手に有利
・見なし直線が非常に短いので、差したりマークしたりする選手が勝ち星を掴むのは、厳しいバンクかもしれない
・足に自在性のある選手にとってはなお有利
・海に隣接しているので、強風の日は要注意
各出場選手の兼ね合いによって、それまで「逃げ」戦法をとっていた選手が急に「捲り」や「差し」に転じるかもしれないので、各選手のコメントや人間関係等もきちんと考慮したいですね。また、天候はいつ変化するかもわかりませんので、天候の様子もきちんと見ておきたいです。
それらの要因を踏まえた上で、上手に予想を組み立てて、配当金ゲットといきたいところですね。
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