11月24日に小倉競輪祭が終わり、特別競輪優勝者5名と賞金獲得上位4名の合計9名が、今年のKEIRINグランプリに出場することとなりました。
その出走メンバーを見ると、実力日本一決定戦に駒を進めるほどですから、競走能力は非常に高く、誰が優勝してもおかしくないほどの強者揃いの一戦だといえます。
今年は一体どの選手が栄冠に輝くのでしょうか?
出場者(出走メンバー)
まず今年の出走メンバーを見てみましょう。
・中川誠一郎(40歳・熊本)全日本選抜、高松宮記念杯
・脇本雄大(30歳・福井)日本選手権
・新田祐大(33歳・福島)オールスター競輪
・村上博幸(40歳・京都)寛仁親王牌
・松浦悠士(29歳・広島)競輪祭
・清水裕友(25歳・山口)賞金獲得第3位
・佐藤慎太郎(43歳・福島)同5位
・平原康多(37歳・埼玉)同7位
・郡司浩平(29歳・神奈川)同8位
以上が今年の出場者になりますが、今年も有力選手が揃いました。
特別競輪優勝者、獲得タイトル
今年の出場者の中で一番光るのは、特別競輪2勝の実力者で、賞金獲得ランキングでも第4位に入る中川誠一郎選手でしょう。
2月の全日本選抜(別府)では、単騎で戦うことを余儀なくされるも、残り1周で先頭に立つと、そのまま押し切って優勝し、40歳という年齢を感じさせない、力強い脚力を披露しました。
同様に6月の高松宮記念杯(岸和田)でも、脇本雄大選手の番手に付けて残り1周でスパートをかけ、追いかける新田祐大選手を全く寄せ付けない強い勝ち方をしました。この脚力がグランプリでもフル回転したら太刀打ちできる選手も少ないでしょう。
その中川選手と高松宮記念杯でコンビを組んだ脇本選手。賞金獲得ランキングでは堂々の1位を記録しており、日本選手権競輪(松戸)では、先行選手が有利な333バンクでありながら、見事な捲り戦法を披露し、優勝をゲットした機動力は大いに注目されます。
これ以外にもG2ウィナーズカップ(大垣)を勝つなど、中川選手に伍して戦えるだけの実力者といえます。
オールスター競輪を勝った新田選手。
高松宮記念杯では中川選手に押し切られた形になりましたが、新田選手の位置取りを考えればむしろ善戦といえる内容であり、上がりの脚は中川選手を上回る速さ(中川選手11.1に対し新田選手10.8)だったことから、グランプリで一矢報いる可能性も大いにあり得ます。
佐藤慎太郎選手という同県福島の援軍を得られたこともあり、展開一つで台風の目になるかもしれませんね。
他には、寛仁親王牌を勝って依然健在ぶりをアピールする村上兄弟の弟・博幸選手と、競輪祭を勝ってグランプリへの切符を獲得した松浦悠士選手。
村上選手は今回でグランプリ出場4回目であり、初出場の2010年にはグランプリレーサーに輝いた強者。ベテランながら自分で動ける脚を持っており、まだまだ若い選手にはひけをとりません。
一方で若い選手でも楽しみな選手がいます。
松浦選手は先月の競輪祭を勝ち、特別競輪参戦34回目にして嬉しいG1初勝利を飾りました。
まだ29歳と先が楽しみな若武者であり、時の勢いでベテラン選手達を圧倒できるかが注目ですね。
賞金獲得上位者にも注目
これに対して賞金獲得上位組ですが、競輪祭で先述の松浦選手とコンビを組んだ清水裕友選手。
今年は年明けの立川記念と11月の防府記念を勝ち、特別競輪でも決勝に4回進んで実力の片鱗を覗かせ、一流レーサーへの道を着実に歩み続けています。
競輪祭2着の余勢を駆って、今度こそ栄冠を掴み取りたいところです。
一方、新田選手という機動力満載の先行選手を得た佐藤慎太郎選手。
衰えを見せないパワフルさで、今年も特別競輪の決勝に5回も残る好調さを見せています。展開が嵌れば、佐藤選手の強烈かつ鋭い差し脚が見られるのではないかと期待しています。
あとは最後の最後でグランプリの切符を掴んだベテランの平原康多選手と、こちらも今年の記念競輪で2勝(川崎、小田原)をマークした郡司浩平選手。
特に郡司選手は時の勢いがあるだけに、見逃せない選手の一人と考えられます。
ライン予想
まだこの原稿を書いている段階では、
どの選手とラインを組むのか?
各自戦法はどうするつもりか?
その動向が掴めていないだけに勝負の行方は混沌としていますが、これまでの実績を踏まえた上での展望を考えてみましょう。
想定できるラインとしては
・中川=脇本(高松宮記念杯で実績あり)
・脇本=村上(北陸近畿ライン)
・新田=佐藤(福島ライン)
・松浦=清水(中国ライン。競輪祭で実績あり)
・平原=郡司(関東ライン)
これだけ見ても細かい4分戦になると想像がつきますが、場合によっては単騎でも戦える中川選手が、自由自在に動くことを希望して単騎で勝負してくるかもしれず、今年の戦績を考えた上でも優勝の最有力候補と考えられます。
無論味方が一人でも多い方が勝負においては有利ですから、中川選手の脚力を警戒して、集団で中川選手を潰しにかかるかもしれませんが、どんな展開になっても戦うことができる中川選手の自在さは、大一番において強みを発揮すると考えられます。
それらを考慮した上で各選手とも、これから作戦を練ると思われますが、こうして推理をしてみるのも、競輪を見る楽しさの一つであると言えますね。
はたして優勝するのはどの選手でしょうか?
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